なんでも食べさせてあげるよ!
半熟卵とろとろのカルボナーラ、エビがたっぷり入ったコンソメの魚介スープ、シーザーサラダにミートパイ、もちろんデザート付きで。 そうだなあ苺たっぷりのタルト、いや生クリームつき紅茶のシフォンケーキでもいいかもね。
食後には熱くて苦めのホットコーヒー、どう?



「・・・悪くない」
「またまた嘘言っちゃって。すごくそそられてるでしょ――違う?」
「・・・・・・っ」


意地っ張りなかすがはプイッと向こうを向いてしまった。
可愛いなあ。知ってるよ、今、かすががほんのり赤い顔をしてること。
佐助はなんだか愉快な気分になって―――なんてったってSですから―――かすがの後ろから耳に口元を寄せる。


「ね、・・・かすが」


突然鼓膜に響いた低い声に、かすがの身体が揺れる。それに気を良くした佐助は満足げに口元の笑みを深めた。


「食べたい?」
「―――――」


かすがの耳がいっそう赤く染まった。やがて、ぽつりと彼女は言う。


「食べてやっても・・・いい」


相変わらずな彼女の返答に、佐助は素直じゃないなあと苦笑いを漏らした。それよりもずっと、愛しさで胸はいっぱいなのだけど。
そのまま背後から腕を回してかすがを中に閉じ込める。ビクッと震えたかすがは抵抗するが、佐助の腕はちっとも緩まない。 諦めて背中を預けると、佐助の力が強くなった。
かすがは、痛いと言おうとして――佐助の低くて甘い声に再び囚われた。


「ああそうだかすが、お代は払ってもらうからね」
「!!な、金をとるのか!?なら作ってもらいたくな――ッア、」


違うよ、と告げた唇はかすがの首筋に吸い付く。そこでかすがはやっと気がついた――佐助の悪魔めいた意地悪で楽しげな笑みに。 もちろん、佐助は最初からこれが目的だったのだ。佐助は、策士だ。


「俺様はスペシャルランチもデザートもいらないよ。かすがが食べたいから」

かすがが一番美味しくて甘いしね。


色っぽく微笑む佐助に、かすがは怒ることもできずにただ魅せられていた。
してやられたと思いつつも、優しく降ってきたキスの雨に応えるのは、結局のところ。かすがは佐助にどうしようもなく甘い。


「変態」
「それが俺様ですから」


――佐助がいればどんな食事だって、毎日しあわせな食卓なのに。
そう思ったことは死んでも言ってやらないとかすがは心に決めた。









とびっきり幸せなランチ



(恨めしそうに睨んだって)(真っ赤な顔しちゃってさ)
(俺様には極上のスパイスにしかならないよ!)







08.11.09.aoi


::::::::::::::::::::::::::
バサラから佐すが。大好きなカプです。
世話焼きオカンで大人な佐助と、強気で意地っ張りツンデレなかすがが本当に可愛くて可愛くて萌える。
ついつい強がっちゃうかすがを優しく包みこめる佐助・・・ベストカップルだと思います。
ちなみにこの佐助はかすがを餌付けしようとしてるんですね(笑)